
マツエクの“持ち”を改善するプロ技術|サロンで差がつく施術・商材・ケアの極意
はじめに
まつげエクステ(マツエク)施術において、「持ち」はお客様の満足度を大きく左右する重要な要素です。どんなに美しく仕上げても、数日で取れてしまえばクレームや信頼低下の原因になりかねません。逆に「持ちが良かった!」という評価は、リピーター獲得や口コミでの集客につながる強力な武器になります。
しかし、マツエクの持ちは技術だけで決まるものではなく、グルーの特性や使用環境、さらにはお客様の生活習慣にも大きく影響されます。この記事では、サロン技術者が押さえておきたい“マツエクの持ち”を改善するためのポイントを、「技術」「使用商材」「アフターケア」の3つの観点から詳しく解説していきます。
施術のクオリティを一段階アップさせ、お客様の満足度とサロンの信頼を高めるヒントとして、ぜひご活用ください!
マツエクの持ちが悪くなる主な原因
「なぜ持ちが悪いのか?」という問いに対して、原因は一つではありません。施術者側の技術や商材の選定ミスだけでなく、お客様の自まつ毛の状態や日常的なケア不足も関係しています。ここでは、持ちを左右する代表的な要因を3つに分けて解説します。
1. 接着不良(グルーの使い方・湿度との関係)
マツエクの持ちは、グルーの接着力に大きく左右されます。特に注意すべきは「湿度と温度」です。グルーは空気中の湿度によって硬化スピードが変化します。
- 湿度が低すぎると硬化が遅くなり、しっかり密着する前にズレやすくなる
- 湿度が高すぎると一気に硬化し、接着面が不安定なまま固まってしまう
また、グルーの量が多すぎても少なすぎても持ちは悪くなります。適切な量とスピーディーな装着が鍵です!
2. 自まつ毛の状態
お客様の自まつ毛が細い・弱っている・乾燥しているなど、健康でない場合、エクステをしっかり支えることができず早く取れてしまいます。とくに、マスカラやビューラーを日常的に使っている方はまつ毛にダメージが蓄積されていることが多く、エクステとの相性も悪くなりがちです。
また、まつ毛の生え変わり周期も要因の一つ。成長初期や成長後期の毛に装着すると、取れやすくなる傾向があります!
3. お客様の生活習慣
施術後の生活習慣も、マツエクの持ちに大きく影響します。
- オイルクレンジングの使用
- 目をこするクセ
- 寝るときにうつ伏せになる
- 洗顔時の摩擦が強い
こうした日常動作がマツエクに負担をかけ、早期に脱落させてしまう原因になります。
持ちの悪化にはさまざまな要素が関わっていますが、施術者が原因を正しく理解することで、対策を講じることが可能になります!
技術者が見直すべき「持ち」向上のテクニック
マツエクの“持ち”を良くするためには、技術者としての基礎的な施術スキルの見直しが欠かせません。ここでは、現場で即実践できる具体的なテクニックをご紹介します。
1. グルーの適切な量と硬化タイミングを意識する
グルーは「少なすぎる」と接着面が弱く、「多すぎる」とダマになって持ちが悪くなります。理想的なのは、エクステの根本に適量が均一に付着する状態。また、グルーを取ってから装着するまでの時間(硬化タイミング)も重要で、2〜3秒以内に装着するのがベストです。
ポイント
- 使用中はグルーの状態をこまめに確認
- グルーが糸を引く・乾燥し始めていると感じたら、すぐに新しいドットに交換
2. 装着角度と装着位置の最適化
エクステをまつ毛に真っ直ぐ・根元から1mm程度離して装着することが持ちを左右します。角度がズレていたり、毛の中腹や先端に装着してしまうと、物理的なストレスに耐えきれず、すぐに取れてしまいます。
また、左右の目で生え方が異なる場合は装着角度も微調整が必要です。お客様のまつ毛の癖をよく観察し、それに合わせてエクステを装着する技術が求められます。
3. エクステの種類を使い分ける
毛質の選定も“持ち”に大きく影響します。
フラットエクステ:軽量で接着面が広いため、持ちが良く初心者にも扱いやすい
ボリュームエクステ:1本1本が極細なため負担が少なく、密度を出しながら自然な仕上がりに
セーブル・ミンクなどのクラシックタイプ:お客様の毛質や目的に応じて使い分け
「持ちが悪い」と感じるお客様には、より軽く密着力のあるエクステへ切り替えて提案するのも◎。
4. プレ処理を徹底する
施術前のまつ毛に油分や汚れが残っていると、どれだけ技術が高くても接着力は弱まります。以下のようなステップで、まつ毛の状態を“接着に最適な状態”に整えることが大切です。
- アイシャンプーで汚れや皮脂をしっかり除去
- プライマーを使用して油分をオフ&キューティクルを開く
- まつ毛の水分が完全に乾いた状態を確認してから装着
これらのテクニックを見直すことで、施術のクオリティは確実に向上し、マツエクの持ちも安定してくるはずです。
使用商材の見直しで持ちは変わる
マツエクの“持ち”は、技術だけでなく使用する商材の品質と選定によっても大きく左右されます。近年では、持続力や安全性に優れたアイテムが数多く登場しており、それらを上手に取り入れることで、施術結果に大きな差が生まれます。
1. グルーの選定が持続力を左右する
グルーはマツエクの持ちを決定づける最重要アイテムです。以下のようなポイントに注目して選定しましょう。
- 速乾性 vs 安定性:速乾タイプは手早く装着できるが、施術環境に左右されやすい。安定性重視タイプは湿度変化に強く、初心者にも扱いやすい。
- 持続力の長さ:一般的には3〜5週間の持続が目安だが、長持ちタイプは6週間以上の効果も。
- 刺激の少なさ:敏感肌のお客様には、低刺激タイプのグルーを使用すると安心。
また、グルーの使用期限や保管方法を守ることも大切。開封後は1ヶ月以内を目安に使い切り、冷暗所に保存して劣化を防ぎましょう。
2. エクステの質も見直そう
エクステそのものの質も、接着性や持ちに関係します。おすすめは、柔らかく軽量な素材。
- フラットエクステ:接着面が広く、自まつ毛との密着度が高いため持ちが良い
- 高品質セーブル:キューティクル加工が施されているものは、装着感が軽く、毛先の割れや摩耗にも強い
施術メニューに複数のエクステ素材を取り入れ、お客様の毛質やライフスタイルに合わせて提案することで、より満足度の高い仕上がりを実現できます。
3. プライマーやコーティング剤の活用
プレ処理で使用するプライマーや、施術後に塗布するコーティング剤も、持ちを良くするための重要なサポート商材です。
- プライマー:まつ毛の油分を取り除き、グルーの密着力を高める効果がある
- コーティング剤:グルーの表面を覆い、水分や油分、摩擦から保護して持ちを向上させる
特に、コーティング剤はホームケア用として販売も可能で、サロンの物販にもつながるアイテムです。
質の高い商材を選び、それぞれの特性を理解して適切に使うことが、プロの技術者として“持ち”に差をつけるポイントになります。
お客様へのアフターケア指導が鍵
マツエクの“持ち”を最大限に引き出すためには、施術後のお客様によるセルフケアが欠かせません。技術や商材が完璧でも、日常生活での扱い方が雑であれば、どうしてもエクステの持続は短くなってしまいます。ここでは、サロン技術者が最低限伝えるべきアフターケアのポイントをまとめます。
1. クレンジング剤の選び方を指導する
オイルクレンジングはグルーを分解する作用があるため、持ちを著しく悪化させる原因となります。
お客様には必ず「オイルフリーのクレンジング剤を使用するように」と伝えましょう。
また、ミセラータイプの水クレンジングやジェルタイプのクレンジングもおすすめです。サロンで専用クレンジングを販売している場合は、使用方法まで丁寧に説明すると信頼度がアップします。
2. 洗顔・ドライの方法をレクチャーする
洗顔の際は、目元を強くこすらないことが基本です。
まつ毛に泡をのせるように優しく洗い、すすぎ後はタオルでこすらず、ドライヤーの冷風を使って乾かすように案内しましょう。まつ毛の根元までしっかり乾かすことで、グルーの劣化や菌の繁殖を防ぐことができます。
▼おすすめワンポイント:
- ドライヤーは10〜20cm離して使用
- まつ毛ブラシで整えながら乾かすと仕上がりキープにも効果的
3. まつ毛美容液の使用を勧める
健康な自まつ毛は、エクステの“土台”として非常に重要です。
そのため、お客様には「まつ毛美容液の継続使用」を勧めましょう。まつ毛の成長を促し、太くコシのある毛を育てることで、エクステの持ちが大幅に向上します。
特に、ラッシュリフトやエクステを定期的にされている方には、自まつ毛のダメージ対策としても有効です。
4. 定期的なメンテナンスの提案
リペアのタイミングは2〜3週間に一度が理想です。
「持ちの良さ」を実感していただくためにも、施術時に次回予約を促す習慣を持ちましょう。LINE予約やポイント制度を取り入れることで、自然な形でリピートに結びつけられます。
お客様に正しいアフターケアを実践してもらうことは、“持ち”の維持だけでなく、サロンとの信頼関係構築にもつながります。
まとめ
マツエクの“持ち”を良くするためには、「技術」「商材」「アフターケア」の三位一体のバランスが不可欠です。
- グルーの扱い方や装着技術を見直し、丁寧な施術を行う
- お客様の毛質や環境に合った高品質な商材を選定する
- アフターケアの方法を的確に伝え、持ちの良さを最大限に引き出す
これらの小さな工夫と積み重ねが、お客様の満足度を高め、リピート率の向上・口コミでの集客強化につながっていきます。
技術者として、常に最新の情報や製品にアンテナを張りながら、より高いレベルのサービスを提供できるよう心がけていきましょう!
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