サロンオーナーとスタッフが1on1面談で笑顔で話している様子

【前編】スタッフが辞めないサロンの秘密|定着率UPの本質とは

「育ててもすぐ辞めてしまう」「いつも求人を出していて心が疲れる」――そんなお悩みを抱えるサロンオーナーは少なくありません。

この記事では、美容歴20年・国際コンテストの審査員・世界7店舗を運営する立場から、スタッフ定着率が劇的に変わった“たった1つの考え方” を解説します。厚生労働省の離職データを踏まえながら、今日から実践できるコミュニケーションと1on1面談のポイントをお伝えします。


◇本記事の内容◇

  1. なぜ美容サロンはスタッフが辞めやすいのか
  2. 定着率を変えた「そこに愛はあるんか?」という視点
  3. 愛のあるコミュニケーションと1on1面談の実践術

1. なぜ美容サロンはスタッフが辞めやすいのか

厚生労働省「雇用動向調査」によると、生活関連サービス業・娯楽業(美容室やエステなどを含む)の離職率は15.0%と、主要産業の中でも高い水準であることが示されています。

また、「新規学卒就職者の離職状況」では、就職後3年以内の離職率が

  • 高卒:37.9%
  • 大卒:33.8%
    と、若い世代ほど離職が起こりやすいことも分かっています。

さらに、離職理由を集計した統計では、「職場の人間関係が好ましくなかった」 が主な離職理由の一つとして挙がっています。

私自身、開業当初は

  • 注意したら翌日「辞めたい」と言われる
  • 不満が溜まり、スタッフが一気に退職する
  • 自分を責めて「もうサロン運営は無理かも」と感じる

という経験を何度もしてきました。

つまり、スタッフが辞める背景には

  • 技術や給料の問題だけでなく
  • 人間関係や「大切にされている感覚」の不足

が大きく影響していると、データと現場の両方から見えてきます。

チェックリスト:あなたのサロンは?

  • 退職理由を「本人の甘え」と片付けていないか
  • 売上や技術以外の会話をスタッフとできているか
  • 最近、スタッフの変化(表情・元気のなさ)に気づけているか

2つ以上当てはまる場合は、見直しポイントがあるサインです。


2. 定着率を変えた「そこに愛はあるんか?」という視点

私のサロンの定着率を変えた“たった1つの考え方”は、

「そこに愛はあるんか?」

という基準でスタッフとの関わり方を見直したことでした。

ここでいう「愛」は、甘やかすことではなく、

  • 一人ひとりに関心を持つ
  • 対等なパートナーとして尊重する
  • 一緒にサロンを良くしていく仲間として見る

という姿勢のことです。

すぐできる見直しポイント

  • 年齢や経験に関わらず、意見を聞いているか
  • 忙しいからといって、スタッフの話を後回しにしていないか
  • ミスを「人格」ではなく「仕組み・プロセス」の問題として扱えているか

私がこの視点を徹底してから、
日本と海外店舗を含めて 17年・15年・8年と長く在籍するスタッフ が育ちました。
技術や給与を劇的に変えたわけではなく、スタッフへの関心の向け方を変えたことが大きな転換点でした。


3. 愛のあるコミュニケーションと1on1面談の実践術

「愛を持つ」と聞くと抽象的に感じますが、ポイントは習慣に落とし込むことです。

1on1面談を“仕組み”にする

1on1面談とは、上司と部下が1対1で行う定期的な対話の場です。
リクルートマネジメントソリューションズの「1on1ミーティング導入の実態調査」では、1on1の効果として

  • 上司と部下のコミュニケーション機会が増えた
  • 部下のコンディション把握がしやすくなった
  • 本音で話せる関係になった

などが報告されています。

サロン向け1on1のポイント

  • 月1回、30分だけでも時間を確保
  • 売上・技術の話「だけ」にしない
  • 次のような質問を用意しておく

質問例:

  • 最近、一番楽しかった仕事は?
  • いま困っていることは?
  • サロンがもっと良くなると思うポイントは?

毎日のミニ習慣

  • 1日3回「ありがとう」を“具体的に”伝える
  • 小さな気配りにも必ず一言リアクションをする
  • お客様に褒められた時は、本人にその場で共有する

ミニチェックリスト:できていることに✓

  • スタッフの良い行動を24時間以内に言葉で伝えている
  • 月1回、1on1を「予定表」に入れている
  • 叱る前に、まず事実を確認する質問ができている

まとめ

美容サロンは業種として離職率が高く、特に若い世代ほど3年以内の離職が多いというデータがあります。

その中で「スタッフが辞めないサロン」をつくるには、

  • 技術や給与だけでなく
  • スタッフへの愛(関心)と人間関係の質
    を見直すことが欠かせません。

「そこに愛はあるんか?」という視点で、
1on1面談・感謝の言語化・日々の声かけを習慣にすることで、
サロンの空気と定着率は少しずつ、でも確実に変わっていきます。

後編では、「この人についていきたい」と思われるリーダー像
採用・試用期間での“フルイにかける”ポイント を具体的に解説します。


最後に、、
マリーラッシュ創業者
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